元禄小判の買取価格相場と相場以上で売る方法

江戸時代には、慶長小判から万延小判まで10種類の小判が発行されました。それらの小判は、発行年数や現存数などにより価値が異なります。特に、2番目に発行された元禄小判は、希少価値や見た目の美しさからコレクターの評価が高い小判です。

この記事では、江戸幕府によって2番目に発行された元禄小判の特徴と買取価格相場、高く売れる小判と少しでも元禄小判を高く売る方法を紹介します。

元禄小判の特徴と買取価格相場

元禄小判は、元禄8年（1695年）から宝永7年（1710年）にかけて発行されました。慶長小判に次いで、江戸幕府が発行した2番目の小判です。

元禄小判は、慶長小判と比較して金の含有量が少ないのが特徴です。その理由は、いくつかあります。

まず、佐渡金山などからの金の採掘量が減少したこと、生糸貿易などにより金銀が海外に流出したこと、人口増加に伴い全国的に通貨不足に陥ったことです。それに加え、明暦3年（1657年）に発生した明暦の大火により、江戸の金蔵の消失と復興のために要した幕府の支出は深刻でした。

それらの要因が重なったことと、慶長小判がすでに100年近く流通し、破損や劣化がすすんでいたことから、新しい小判を発行する必要性に迫られたことから、江戸幕府は金の含有量を少なくした元禄小判を発行しました。

元禄小判は、元禄8年から14,000,000枚ほど発行されたと記録されています。2枚の慶長小判に銀を加え、3枚の元禄小判を鋳造する方式をとることにより、発行枚数を増やし、慶長小判よりも広く商取引に利用されました。

ただし、元禄小判の多くは改鋳などにより紛失しており、現存数はとても少ないため、希少価値が高いです。元禄小判は慶長小判に比べて不評であったことや、当時は大きなインフレーション状態であったことから、小判の価値が下落していたことも原因です。

元禄小判の表面には、たがねを使用したござ模様が刻まれています。上下に桐紋を囲む扇形の枠と、上部に「壹两（一両）」、下部に「光次」と刻印されているのが特徴です。

元禄小判の裏面には花押があり、花押の横に「元」の文字が刻印されています。この「元」の文字の書体は2種類あります。文字が長い「長元」の買取価格は160万円になりますが、文字が短い「短元」は最大で200万円になることがあります。

元禄小判は、他の9種類の小判と比較して高い買取価格が期待できます。金の含有量が低くなっていますが、元禄小判以降の小判には、さらに金の含有量が低いものもあるためです。

また、元禄小判より金の含有量の多い慶長小判や享保小判などは高価な小判として保管されたことから、現存する小判の数が比較的多いです。それに対し、元禄小判は世間からの評判が低かったことから、現存数が減少しているため、希少価値が高くなっています。

元禄小判は、長元のものよりも短元のものの方が高値で売れます。それ以外にも、裏面の座人印が偶然「大吉」になっている「偶然大吉」があります。偶然大吉は、300万円以上の高値で売れる可能性があります。

元禄小判は小判の中でも希少価値が高いですが、基本的なデザインは10種類共通しています。「元」の文字が刻印されていることで区別されますが、経年劣化や破損などの理由で、素人では判別が難しいこともあるでしょう。

それに加え、元禄小判には多くのレプリカや偽物が市場に出回っています。近年では、非常に精巧なレプリカも製造されているため、見分けるのが困難になっています。

そのため、元禄小判を売る際には、古銭専門の買取業者に鑑定を依頼しましょう。1か所だけではなく、複数の業者に鑑定を依頼することをおすすめします。

元禄小判の特徴と買取価格相場、高く売れる小判と少しでも元禄小判を高く売る方法を紹介しました。まとめると以下のとおりです。

江戸幕府によって2番目に発行された元禄小判は、希少価値が高く、本物であれば高値で売ることが可能です。江戸幕府によって発行された10種類の小判はデザインがほぼ同じですが、「元」の文字が刻印されていることで、他の小判と区別できます。

元禄小判は、「元」の文字の長短により2種類あり、文字が短い「短元」の方が高く売れます。その他にも、「偶然大吉」など、より高く売ることができる場合もあります。

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