季節ごとに着るべき着物の種類と衣替えの時期

着物はどれも見た目が同じであるため、一年中着ることができると思っているかたもいるでしょうが、実は着物にも洋服と同じように季節に合わせて着用するものがあります。

着物の素材に応じて着用するものが変わってきます。

ここでは、季節ごとに着るべき着物の種類と衣替えの時期について説明します。

季節ごとに着るべき着物の種類

着物には色々な種類がありますが、季節に合わせて着る種類が変わります。

春と秋から冬にかけて着る着物は、袷の着物で、裏地の付いた2枚の生地が重なったものです。

冬の寒い時期にはこの袷の着物の上に、羽織やコート、ショールなどの防寒具を合わせます。

初夏や初秋など、季節の変わり目には裏地のない単衣（ひとえ）という着物が適しています。

裏地がないため軽い着心地です。

夏の暑い時期には絽や紗、上布など麻素材の着物を着用します。

絽や紗などは透け感のある着物です。上布は麻素材の織物で、越後上布が有名です。

夏に着用する着物は通気性があり軽やかで涼しく着用することができます。

着物の衣替えの時期

季節に応じて洋服を変えるように着物も季節によって衣替えの時期があります。

着物は、袷・単衣・薄物または夏物の3種類の着物に分けることができます。

袷の着物について

袷の着物を着用するのは秋から春にかけてで、10月から5月ごろです。

1年のうちの大半はこの袷の着物を着用することになります。

袷は、八掛（はっかけ）という裏地のついた仕立ての着物です。

単衣の着物について

単衣の着物を着用するのは季節の変わり目である6月や9月ごろです。

気温の上がる時期には裏地があると暑さを感じやすいため、裏地のない表地だけの仕立てになっている単衣を着用します。

単衣は透け感のない着物です。

ただ、最近は温暖化の影響もあり、5月ごろから暑くなるため、5月中旬ぐらいから単衣を身に付けても問題はありません。

薄物または夏物について

薄物または夏物は透け感のある着物で、絽や紗、上布などがあります。

7月から8月の暑さが厳しい時期に着用する着物です。

浴衣も暑い夏の時期に着用する着物です。

特に浴衣は自宅でも洗うことができるため、気軽に着ることができます。

着物だけではなく帯、長襦袢にも衣替えの時期があります。

帯には夏に使える時期のものと夏以外の時期のものとに分けられます。

夏に使える帯は透け感があります。

夏以外に使える帯は3シーズン使うことができる帯で、透け感がないものです。

長襦袢は、無双袖、単衣袖、夏用の三つに分けることができます。

無双袖は、9月中旬～5月まで着用し、単衣袖は5月中旬～6月、9月～10月中旬までの着用、夏用は6月～9月に身に付けます。

まとめ

季節ごとに着るべき着物の種類と衣替えの時期について見てきました。

内容をまとめると以下のようになります。

着物は洋服と同じで季節に合わせて着用するものが変わります。

3シーズンと一番長く着用することができるのが袷で裏地のある着物です。

6月や9月の季節の変わり目には裏地のない単衣を着用します。

着物をはじめて購入するならまず袷の着物から購入すると、長いシーズン着ることができます。

着物にも多くの種類があり、どの着物を着用すれば良いのか迷ってしまうこともありますが、これを参考に衣替えをして着物を楽しんでください。

着物には大体の目安がありますが、真冬に真夏に着用すべき着物を着用しない限り、その時期の季節感を意識しながら着物を選べばよいでしょう。

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