着物の生地の種類と素材ごとの特徴、見分け方

着物を購入したい場合または持っている着物を売却したい場合、着物の生地の種類や素材の知識を正しく知っておくことが重要です。

この記事では、着物の生地の種類と素材ごとの特徴、着物の生地の種類の見分け方、着物を着用するシーンにあわせた着物の生地の選び方について紹介します。


着物の生地の種類と素材ごとの特徴

着物の生地の種類と素材ごとの特徴

着物の生地は、素材ごとにいくつかの種類に分かれています。大まかに分けると、天然素材の生地と化学繊維を使った素材とに区分されます。

日本古来の製法を用いる着物の生地のほとんどは天然素材ですが、材料が手に入りにくくなったことや後継者不足から、生産数が減少しています。

近年では技術の進歩により、着物にポリエステルなどの化学繊維が用いられたり、ウールが用いられたり、天然素材と混ぜられた素材が用いられたりしています。


天然素材の着物の生地

天然素材の着物の生地は、絹・木綿・麻に分けられます。その他、木綿と麻を混ぜた綿麻など、さらに細かく分けられることもあります。


絹を使った生地は、およそ5,000年前の中国に起源を持ちます。アジアを東西に走るシルクロードで世界各地に絹が伝わり、日本にも約1,800年前に絹織物や養蚕の技術が伝わりました。

日本各地で養蚕が行われ、手織りの絹織物が地方独自に発展しました。1900年代になると、群馬県の富岡製糸場をはじめとして日本各地で絹織物がつくられ、世界最大の絹の生産地となりました。

絹の生地は蚕の繭から取り出され、真珠のような光沢や手触りの良さが特徴です。また、保温性や吸湿性も高く、着物にする際に様々な染料で美しく染まります。


木綿

木綿を使った生地は、ワタの種子からとれる繊維を使います。伸びにくく丈夫であるため、普段着の着物に多く用いられます。

木綿の起源は絹と同様に古く、およそ5,000年前のインドでつくられました。日本に木綿が伝わったのは、平安朝初期だと言われています。

木綿の特徴は、丈夫で耐久力があることです。また、通気性や吸湿性に優れています。そのため、木綿を使った着物は暑く湿気の多い季節や地域に適しています。

染色性も良いため、木綿を生地とした着物はきれいに染め上がります。


麻を使った生地は、およそ5,500年前のエジプトですでにつくられていたと考えられています。日本でも弥生時代にはすでに麻織物が出土していることから、その当時から流通していたようです。

麻の繊維は硬質で強く、天然の光沢があります。通気性にとても優れ吸水性が良いため、夏用の着物に適しています。弾力性に劣るため、シワになりやすいです。

麻の生地は、染色性が絹や木綿に比べて劣ります。そのため、色落ちしやすいです。麻の着物は、水で手洗いすることでシワや縮み、色落ちを避けることが可能です。

羊毛を生地にした着物は歴史が浅く、昭和40年ごろに普段着で流行しました。羊毛は日本国内ではあまりとれないため、オーストラリアなどからの輸入に頼っています。


その他の着物生地

その他の着物生地


羊毛

羊毛はほかの生地と比較して保温性や吸湿性が高いのが特徴です。その反面、虫食いに弱いなど耐久性に課題があります。そのため、着物に羊毛を用いる際には、絹などと混ぜて織ることがあります。


ポリエステル

ポリエステルを用いた着物は、安価で取扱いが簡単です。しかし、ポリエステルは保温性や吸湿性が低いです。染色する際にも、色映えが悪く、精緻な表現はできません。


着物の生地の種類の見分け方

着物の生地の種類の見分け方

着物にどの種類の生地が用いられているかは、ある程度は素人でも見分けることが可能です。

絹とポリエステル
絹は手触りが良く、美しく上品な雰囲気があります。また、着物に仕立てた時に体にぴったりなじみます。ポリエステルも絹と似ていますが、化学繊維のポリエステルはカサカサと乾いた触感がします。絹は肌との適度な摩擦感があります。

最近では絹の触感に近いポリエステルも登場しているため、素人に見分けるのは困難な場合があります。その場合は、信頼できる業者に鑑定してもらうのが一番安全です。

もし可能であれば、余った布や糸の切れはしなどを火で燃やしましょう。絹は蚕の糸でできているため、成分はタンパク質です。そのため、人間の髪の毛を燃やしたときと同じ燃え方やにおいがします。

それに対し、ポリエステルは石油でできているため、黒煙を出し、溶けるように燃えます。

木綿と麻
木綿は、高価な生地から安価な生地まで様々です。木綿の生地を染色し、着物に仕立て上げると絹の着物に近い格になります。柔らかい手触りから、普段着の着物に多く用いられます。

木綿は汚れや湿気に比較的強いですが、シワになりやすいのが欠点です。また、日光など強い光で変色しやすいです。

麻は、通気性に非常に優れています。夏物の着物の多くは麻の生地を使っています。麻は染色性が良くないため、絹や木綿のように派手な色合いや、繊細な色合いの表現が苦手です。地味な染色の場合は麻の生地が使われている可能性が高いです。

また、麻も木綿と同様にシワになりやすいです。成分が植物由来であるためです。麻や木綿を火で燃やした時は、セルロースが含まれているため、紙を焼く時と同じような燃え方やにおいがします。

麻は、絹や木綿に比べて軽いのが特徴です。麻の生地を使った上布は高級で上質な着物ですが、絹や木綿よりも軽いことから見分けることが可能です。

麻と木綿とは、繊維の質も違います。木綿の繊維は綿のため一律ではなく、ゴワゴワした触感がします。それに対し、麻は長くツルツルした繊維を用いているため、触感はなめらかです。

羊毛
羊毛は、羊の毛を用いているため保温性が高く、冬の着物に主に使われます。毛羽立ち(けばだち)があるのも、羊毛の生地ならではの特徴です。

羊毛の着物を着た時に、肌にチクチクした触感があることもあります。羊毛はタンパク質のため、絹と同じような燃え方をしますが、においは羊毛の方がきついです。

また、羊毛は虫に食われやすいため、防虫剤が必須です。


着用シーンにあわせた着物の生地の選び方

着用シーンにあわせた着物の生地の選び方

日本には四季があるため、シーズンごとに異なった織り方の着物が織られてきました。また、年間の行事や冠婚葬祭などの儀式などのシーンに応じて、それにふさわしい着物を選ぶ文化がはぐくまれてきました。

そのため、着物を選ぶ時には、着用シーンに合わせて適した生地や素材の着物を選ぶべきです。

礼装に用いられる最も格式の高い着物は、絹の生地を使った着物です。成人式の振袖や結婚式の色留袖などは、絹の着物がふさわしいです。

礼装で着用する着物の格は、黒紋付・黒留袖・色留袖・振袖の順となっています。着用する着物の種類を間違えると、失礼に当たる可能性もあるため、注意しましょう。

絹を生地にした着物には、縮緬・紬・羽二重など様々あります。絹は寒さに強い反面、夏の暑い時期に使用するには不向きです。

木綿の着物は、繊維が太く丈夫なため、普段着に適しています。日常的に着物を着る習慣があるかたが気軽に着用するなら、木綿の生地を使った着物が良いでしょう。

絹で紬を織った場合はややあらたまった場で着る着物になりますが、木綿で紬を織った場合は実用的に着用できます。

また、木綿の生地の肌触りの良さを生かし、単の着物にも多く用いられます。夏の浴衣にも木綿がふさわしいです。

麻の生地を用いた着物は、薄手で軽く張りがあることを生かし、夏の普段着に多く用いられます。染色性はあまり良くないため、礼装などにはやや不向きです。

麻の生地を用いてつくる上布は、麻の着物の中でも高級品です。夏場に上布のさらさらした触感はありがたいです。あらたまった場に夏場に出向く場合には、上布を着用すると良いでしょう。

羊毛の生地を用いて作られる着物は、保温性の高さを生かし、冬用の着物で多く用いられます。近年では、カシミヤなどを用いた着物もつくられています。


まとめ

着物の生地の種類と素材ごとの特徴、見分け方のまとめ

着物の生地の種類と素材ごとの特徴、着物の生地の種類の見分け方、着物を着用するシーンにあわせた着物の生地の選び方について紹介しました。まとめると以下のとおりです。 

  • 蚕の繭でつくられる絹の生地を使った着物は、光沢や手触りが良い最高級品
  • ワタの種子を使った木綿の生地を使った着物は、丈夫で耐久力があり普段着に最適
  • 麻の生地を使った着物は通気性と吸水性に優れ、浴衣など夏の着物に最適

近年では化学繊維の着物も増えていますが、日本古来の絹や木綿・麻などを生地にした手織りの着物は、品質が良く評価が高いです。素材ごとに特徴があり、糸を燃やすなどで生地の種類を見分けることが可能です。

着物の生地は、着用シーンに応じて使い分けましょう。絹の着物は礼装に多く用いられます。木綿の着物は、普段着を中心に幅広く用いられます。麻の着物は夏に多く用いられます。羊毛の着物は保温性が高いため、冬の着物に多く用いられます。

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