黄八丈の着物買取相場と高く売れる着物

東京都八丈島が産地の黄八丈は、とても希少価値が高い織物です。独自の製法で繰り返し染めているため、親子三代が着ても色褪せないことなどから、1977年に国の伝統的工芸品に指定されています。

秋田にも黄八丈があり、それと区別するために八丈島の黄八丈は「本場黄八丈」と呼ばれることがあります。この記事では、本場黄八丈の着物買取相場と、高く売るコツについて紹介します。


黄八丈の特徴と着物買取相場

黄八丈の特徴

黄八丈の特徴

黄八丈は、八丈島に自生する植物染料のみを用いて作られた織物です。黄色、蔦色、黒の三色を基調にし、縞柄や格子柄が特徴ですが、まれに無地の織物もあります。黄八丈が八丈島の名の由来だとの説があります。

黄八丈は主に黄色を主体とした色合いですが、蔦色が多い蔦八丈、黒が多い黒八丈もあります。通常は、蔦八丈と黒八丈を含めて黄八丈と呼ぶため、買取を依頼するときには注意しましょう。

黄八丈は平安時代ごろに誕生したと言われています。伊豆諸島に位置する八丈島は年間通じて降水量が多く、気候は温暖です。農産物の出荷は難しい地理的条件のため、黄八丈は八丈島の経済を支える特産品でした。

黄八丈は、江戸時代に年貢で幕府に収められたことをきっかけに有名になりました。最初は身分の高い武士が使用していましたが、江戸末期から明治にかけて庶民にも着用されるようになっていきます。

現在でも、八丈島に自生する八丈刈安やマダミの樹皮、椎の実の樹皮などから採取できる植物性の染液を使用した、昔とほとんど変わらない技法で糸を染め、手織り作業で製品に仕上げています。

糸を染める際、乾燥した植物を煮ることにより得られる染液に糸を一晩浸し、翌朝その糸を絞り、天日乾燥します。その作業を10回以上繰り返していきます。そのため、長い年月を経ても変色せずに長持ちします。

染色後、ていねいに一枚ずつ手織りで女性が織ります。長持ちさせるために強い打ち込みが必要なため、20代~40代の比較的若い女性が行ってきました。

本来の染色法を現在も継承する染色家は、八丈島に一軒しか残っていません。それが山下家です。山下家では、化学染料に切り替えることなく草木染めをつづけています。そのため、3代目八百子さんは1986年に東京都指定無形文化財工芸技術の保持者に認定されました。


黄八丈の着物買取相場

山下家の他にも八丈島の工房で染色を行っており、見学や体験を受け付けています。山下家の黄八丈は自らの工房で作られているため生産量が少なく、高値がつきます。

黄八丈の着物は、中古市場において結城紬や大島紬と並んで人気が高い織物です。色褪せず長持ちするため、買取価格は5万円以上です。山下八百子さんが手がけた黄八丈の場合は、10万円~20万円の買取価格になることがあります。

着物以外にも、黄八丈の帯なども人気があるため、比較的高値で買取ってもらうことが可能です。通常は数千円の買取価格ですが、山下八百子さん作など有名作家の手がけた帯は数万円になります。

買取の際、証紙も共に提出することにより、高い値段で買い取りしてもらえます。証紙とは着物の産地や価値を証明するための登録商標です。鑑定書のようなものだと考えましょう。

黄八丈をリサイクルショップやオークションなどで買取してもらうことも可能ですが、適正な値段がつかない可能性が高いため、着物買取専門店に依頼する方がおすすめです。

家の近所に着物買取専門店の店舗がない場合でも、大手の業者では出張買取や宅配買取を行っているため、積極的に利用しましょう。査定のみなら無料の業者もあります。着物査定の専門家が査定を行います。

伝統的な草木染めの黄八丈の着物は、新品だと入荷待ちですぐには手に入りません。とても長持ちするため、中古市場でも数十万円の高値がつきます。

外国人により日本の着物が注目されており、黄八丈のような伝統的工芸品は特に関心が高いため、今後2020年の東京オリンピックに向けて買取相場が高騰する可能性があります。

査定の際には、複数の専門業者に買取を依頼し、一番高値がついた業者に買取ってもらうべきですが、希望する値段がつかなかった場合は、相場が高騰するまで時期を空けてから買取を依頼する方法もあります。


まとめ

黄八丈の着物買取相場と高く売れる着物のまとめ

黄八丈の着物買取相場と、黄八丈を高く売るためのポイントを紹介しました。まとめると以下のとおりです。

  • 黄八丈は八丈島に自生する植物染料のみを使用して染め、手織り作業で仕上げる伝統的工芸品
  • 黄八丈は結城紬や大島紬と並び中古市場で高値で買取される
  • リサイクルショップやオークションより、着物買取専門店で査定してもらうことにより高値で売れる

黄八丈は、八丈島の特産品です。八丈島に自生する植物のみを染料に使用し、何度も繰り返し糸を染めることにより、色落ちしにくいのが特徴です。現在では、本来の染色法を継承するのは一軒のみです。

黄八丈の着物を着物買取専門店に査定を依頼すると、5万円以上で買取ってもらえることがあります。出張買取や宅配買取を利用して査定を依頼しましょう。今後さらに希少価値が高まる可能性があります。

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