森山虎雄の着物の買取相場と高く売れる着物

絣（かすり）の素材は絹、麻、綿などがあります。

それらのうち、素材に綿を使った絣織物で現在に伝承されているものは、西日本に集中しています。久留米絣・伊予絣・琉球絣・薩摩絣・備後絣・出雲絣などです。

この記事では、福岡県久留米市およびその周辺で製造された久留米絣の制作者森山虎雄が制作した久留米絣の織物の特徴および買取相場を説明します。

森山虎雄の着物の特徴と買取相場

絣は日本全国だけでなく、東南アジアにも似た技法が見られる織物です。

事前に染色された縦糸と横糸とを組み合わせ、模様を生み出します。

絣の素材は絹、麻、綿などで、江戸時代後期に「かすり」の名称が用いられはじめました。

地域により素材や織り方が独自に発展し、明治時代から昭和中期にかけて普段着の和服で量産されました。

普段着に洋服が用いられる現在においては絣の生産が激減し、各地の絣も廃れているのが現状です。

絣の中で、江戸末期に井上伝が創始した木綿の絣が、久留米絣です。

そのため「お伝絣」とも呼ばれていました。

その後、田中久重や大塚太蔵らによる協力や改良を加え、機械化による大量生産がなされました。

現在では、久留米絣は備後絣、伊予絣と並ぶ三大木綿絣の一つです。

絣の部分を荒麻でくくって藍染めする防染方法が特徴です。

作家太宰治が好んで久留米絣を着用したエピソードも伝わっています。

その久留米絣の技法の一つ、蚊絣を受け継いだのが、森山虎雄です。

蚊絣は紺絣の一種で、蚊が群がって飛ぶ様子を思わせるような細かい模様が特徴です。

森山虎雄は1909年に生まれました。

森山家は100年続く久留米絣の名家だったため、虎雄も幼少期より手伝い、16歳から本格的に修行をはじめました。

森山虎雄の着物の特徴は、男物の細かい柄の愛染です。

1959年には重要無形文化財技術保持者に認定されるなど、数多くの受賞を果たしています。

化学染料が用いられる絣が多い中で、植物染料の藍染めの技術の保存にも力を尽くしました。

手織りの久留米絣は製造過程が複雑で、一つの反物が完成するまで1か月かかることもあります。

息子の2代目森山虎雄も父親から蚊絣の技法を受け継ぎ、重要無形文化財に認定を親子2代で受けています。

森山虎雄の着物の買取相場は、市場の流通量が少ないため高く、4万円を超えます。

先代の森山虎雄はすでに亡くなり、2代目の森山虎雄の久留米絣も、全ての工程が手作業なためです。

リサイクルショップや質屋に買取を依頼すると、素材の違いや状態はわかりますが、手織りの久留米絣の価値を正確に査定してもらうためには、着物買取専門店に依頼するようにしましょう。

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