江里佐代子の着物の買取相場と高く売れる着物

工芸技術部門の重要無形文化財保持者はのべ人数で200名近くにのぼりますが、江里佐代子は2002年に、当時57歳で最年少の重要無形文化財に指定されました。

この記事では、江里佐代子が特に力を入れ、重要無形文化財に指定される要因となった截金（きりかね）の特徴と、截金を用いた江里佐代子の作品の買取相場を紹介します。

江里佐代子の着物の特徴と買取相場

截金は細金とも呼ばれることがあり、約1400年前に大陸から日本にもたらされました。その起源は、紀元前のヨーロッパにあります。日本においては、ヨーロッパや中国、朝鮮半島とは違った独自の技法で発展しました。

日本において截金は中世時代に、仏具を装飾するなどの目的で多く用いられました。しかし、近代に入ると、金の粉末を溶いて混ぜた物を塗る金泥（こんでい）がとって代わったことで、截金は衰退しました。

江里佐代子は、衰退していた截金の技法を再興し、さらに、主に仏具を装飾するための技法だった截金を、屏風や帯などの装飾に用いた功績から、2002年に最年少の重要無形文化財となりました。

江里佐代子は、1945年終戦の年に京都に生まれました。実家は代々続く刺繍師でした。学生時代に染色や日本画を学びましたが、仏師の江里康慧との結婚を契機に、截金に興味を持ちはじめました。

その後、截金師の北村起祥の弟子になり、本格的に截金を学びはじめました。截金は、金箔などを熱して細い糸状に切り出し、仏具や茶道具などに細工することにより、様々な紋様をつくり出す技法です。金箔の細さは1mm以下です。

江里佐代子は、仏具だけでなく、屏風や壁面装飾、帯などの現代工芸に截金を取り入れました。特に、鞠のような形状の球体の截金は有名です。

江里佐代子が手がける截金の着物の特徴は、立体感のある紋様や光の反射具合です。国内では主にフォーマルな場で用いられ、海外からも評価が高いです。晩年にはイギリスなどで截金の講演や実技も行っています。

江里佐代子が得意としたのは截金だったため、着物や帯、袋帯などは監修に携わりました。江里佐代子本人が織ったり染色したりしたものではないですが、需要が高いため数万円～数十万円になることがあります。

江里佐代子は62歳でこの世を去りました。そのため、江里佐代子の作品は数が少なく、着物や帯などの装飾品となるとさらに珍しいです。また、截金師で名を知られているため、着物買取を依頼する業者には気をつけましょう。

江里佐代子の着物の買取は、着物買取専門店に依頼すべきです。正確な価値がわからない業者に査定を依頼すると、本来の価値の数十分の一の買取価格を提示されることがあるからです。

着物買取専門店は、買取実績が多く、出張買取または宅配買取に対応している店を選びましょう。また、大手の着物買取専門では、着物や帯だけでなく装飾品や屏風、小物も高値で買い取りしてくれます。

截金の作品は金箔などを用いているため、貴金属買い取り店でも高値がつく可能性があります。着物買取専門店と比較してみると良いでしょう。

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