塩沢紬の着物買取相場と高く売れる着物

新潟県南魚沼市は、全国でも有数の豪雪地帯です。

現在でもスキー場が多くあることで有名な南魚沼市の特産品に、塩沢紬があります。

江戸時代から本格的に織られはじめ、現在でもその伝統は残っています。

この記事では、大島紬、結城紬と並んで日本三大紬に数えられる塩沢紬の特徴と、着物買取相場について紹介します。

また、どのような着物が高値で売れるのかも学びましょう。

塩沢紬の特徴

塩沢紬のルーツとなる、越後上布の織物は、1,200年以上もの歴史を持ちます。

当時の越後上布の織物は、奈良県の東大寺正倉院に現在においても保存されています。

塩沢紬は、越後上布と同様の技法を用いて作られる織物です。越後上布が麻織物なのに対し、塩沢紬は絹織物です。

江戸時代の中期から本格的に織られはじめ、明治以降は蚕産業の増産に伴い、夏塩沢が誕生しました。

第二次大戦中は塩沢紬の生産が途絶えましたが、戦後になり、新しい商品開発が行われました。

1949年には塩沢織物工業協同組合が設立されたこともあり、1975年に経済産業大臣指定の伝統工芸品に認定され、続いて2009年にはユネスコ無形文化財に指定されています。

塩沢紬の産地新潟県南魚沼市は、戦国時代の武将、直江兼続の故郷であり、多くの史跡を残しています。

現在ではコシヒカリの産地でスキー場などのレジャーや観光地で有名ですが、江戸時代には塩沢紬の産地で有名でした。

豪雪地帯特有の風土から、根気強い手作業が必要とされる絹織物が発展し、現代に至るのだと考えられます。

紬は耐久性に優れ、保温性が高いことからも重宝されました。

江戸時代において絹織物は、町人や農民が着用できませんでした。

しかし、紬は余り物の蚕の繭を使用していたため、絹織物でありながら町人や農民でも着用が許されました。身分に関係なく日常着で使われ、広く流通します。

明治に入り、夏塩沢が誕生するなどさらに生産が増えていきますが、明治維新以降、庶民の間にも徐々に洋服文化が広まっていきました。

第二次大戦前後の物資不足でいったん途絶えた後に復活しましたが、原材料の蚕などが減少するなどの理由により、現在では幻の紬と呼ばれるほど貴重です。

原材料は生糸、玉糸、真綿のつむぎ糸に限られ、全ての工程を手作業で行うため、生産者の高齢化や減少が進んでいます。そのため、生産量は年々減少しています。

その一方、塩沢紬の特徴の、ところどころに小さな模様がある絣（かすり）模様が好みのファンは多く、シンプルでシックなデザインから女性だけでなく男性にも人気が高いです。

塩沢紬の他にも大島紬、結城紬など優れた紬がありますが、塩沢紬は極細の十字絣や亀甲絣などの絣模様が特徴です。

庶民の着物ながら、上品さが醸し出されています。色は黒や藍色が多いですが、ベージュもあります。

長い間庶民の着物で知られていたためか、紬の買取相場はそれほど高くありませんでした。

ところが、近年になって紬の買取相場が上昇しています。紬自体の数が減少しているのがその理由です。

また、紬には「紬糸を用いた和服」と「紬糸を用いた絹織物」の二通りの意味があり、後者の方がより希少で、高値がつきます。塩沢紬は後者です。

同じ塩沢産の着物「本塩沢」は、塩沢紬と名称が似ており、同じ絣模様ですが、本塩沢と塩沢紬は別物です。

本塩沢の素材は強撚糸を使用しているため、やや凹凸のある生地です。

このように、塩沢紬にはいくつかの種類や類似品があり、絣模様以外にも縞柄、無地などもあるため、買取価格は様々です。

状態の良い塩沢紬の着物買取価格は、概ね2万円～3万円です。

着物の状態や証紙の有無によっても、大きく値段が変動します。

定められた製法で織られた塩沢紬には伝統工芸品の証紙があります。買取を依頼する際に、証紙を忘れずに持参しましょう。

買取の依頼は、リサイクルショップではなく、着物買取専門店に依頼しましょう。

専門店以外だと、塩沢紬の正確な価値を判定できない可能性が高いためです。

出張買取または宅配買取を依頼すると、自宅に居ながら査定してもらうことができます。

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